西村 玲さんの死②:非難と対立

末木 文美士(すえき ふみひこ)氏
出典:未来哲学研究所

こんばんは、伊田です。

他サイトでやっていた話、ちょっと重すぎるような気がしたので、こっちに移して、継続したいとおもいます。

西村 玲(にしむら りょう 1972-2016)さんの死は、前回お話した通り、大学院生問題ブームによって、またたくまに広まりました。

エッセー風の”物知り”ブログを書く連中もいれば、朝日新聞のように、ここぞチャンスとばかりプレデター的に記事を量産するメディア↓もありました。

「役に立たない学問」を学んでしまった人文系“ワープア博士”を救うには……?(文春オンライン)

高学歴ワーキングプア女性を自死から救えなかった社会保障制度の限界(ダイアモンド)

クリック主義のネットメディアの悪い所が露呈した・・・そんな感じですね。

これらのメディア記事↑は、アホらしいので全無視します。


・憎悪


小宮山亮磨(こみやま りょうま)氏
は、大学院生問題のブームにのって、
西村玲さんの死についての記事を書いた
朝日新聞の記者。

西村玲さんの死について書かれた最も権威ある(?)文章は、師(実際には大学制度的にもう少し複雑)の末木 文美士(トップ画像)氏のブログでした。

bunmaoのブログ

界隈を検索していると、しかし、そのブログ(bunmaoのブログ)について、次のような憎悪に満ちた文章をみつけます。

西村玲氏と『西村玲遺稿拾遺』

西村氏の日本学術振興会特別研究員SPD時代の受け入れ研究者であった末木文美士氏は、9日後の19日付で『bunmaoのブログ』に記事「朝日新聞小宮山亮磨氏の記事に関する私見」を掲載し、小宮山氏の記事に抗議した。


これを読んだ私は21日、末木氏にメールで「若手などがあのブログ記事を読んでどう感じるかをお考えください」と伝えた。


末木氏からの返信などを容認できなかった私は23日、メールで絶交する旨を伝えた。

突然、絶交なので、読んでひっくり返りました(私は、もちろん↑この文章の執筆者を読んだ当時、知りませんでした)。

ちなみに上掲文章で言及されている小宮山亮磨(こみやま りょうま)氏は、前回言及した朝日新聞の記事の執筆者です。


・なにに怒っているのか?


森氏のTwitter
いわゆる鍵垢。
Twitterをめぐる
神経質な動きが
出て来るようになったのも、
本記事執筆の動機です。

末木 文美士氏に対する激しい攻撃ー上掲文章(”絶交”)ーを展開したのは、森 新之介という方です(上掲Twitter)。

なぜ、森氏は、末木氏を激しく非難したのか。

上掲引用では、

末木氏にメールで「若手などがあのブログ記事を読んでどう感じるかをお考えください」と伝えた。

・・・と、西村玲さんの死を、末木氏がブログ化したことに対する非難が動機のようにみえます。

みえるのですが・・・


・焦点



『西村玲遺稿拾遺』
西村玲さんのご両親が

編集された
ご本人の遺稿集。
再版が望まれます。 

私は、森氏の末木氏に対する非難のおおもとは、そこ(軽薄なブログ化)にはなかったとおもいます。

ヒントは、末木氏のブログの次の箇所にあります↓

2019年11月 4日 (月) なぜフェイク記事が書かれたのか?

ご両親の編集で『西村玲遺稿拾遺』として2019年1月29日付で私家版として出版されました。これは、外に発表した文章だけでなく、手紙や日記類、そして写真や年譜をも含め、本当にご両親の愛情のこもった素晴らしい編集の本です。ご両親ともに編集者でしたので、その力のすべてを出し切ったように思います。この本をどの範囲の方にお送りしたかは存じませんが、論文集出版の際にご寄付くださった方にはすべて配布されたようです。

この『遺稿拾遺』の中で、初めてご両親は玲氏が自死であったことを明らかにして、彼女の最後の頃の日記をも併せて収録しています。このようなわけで、『遺稿拾遺』はあくまでも関係者の間だけに配布されたものでしたが、それが広く伝わったのは、同書を受け取られた方の一人M氏がツイッターで書いたことによります。それがどの範囲に広まったかは、私はきちんとフォローしていないので分かりませんが、かなり広くリツイートされたようです。M氏が最後の日記の箇所の本文写真も掲載したために、衝撃を受けた方が多くいたようです(この本文写真はその後削除されました)。朝日新聞のK記者もそのツイート、あるいはリツイートによって知ったようです。

M氏のツイート/リツイートを知って、西村氏の友人たちはそれが広まることを懸念しました。私はそのことを彼女の友人の一人からメールで知らされ、どうしたらよいかと相談を受けました。彼女の非常にプライベートな心情が、事情を知らない不特定多数の人たちの間に流され、話題とされるのは、彼女にとってあまりに残酷すぎます。また、自死の原因となった結婚・離婚の事情まで明らかにされるのは、その相手の方のプライバシーにも関わります。私もまたそれが広まることを心配しましたが、結局、そのまま放置して、自然に収まるのを待つことにしました。すでに広まってしまったことを止めることは難しいし、それに対する意見を発信しても、かえって炎上するような事態になれば、逆効果と考えました。

今になって見ると、その判断は間違っていたかもしれません。何らかのメッセージをきちんと発信しておくべきだったかもしれません。ツイッターのアカウントは持っていますが、ふだんあまり見ることもありませんし、まして発信することはほとんどありませんでしたので、このようなSNSでの発信の使い方や広まり方に関する知識が乏しく、的確な判断が下せなかったことは、深く反省しています。それを新聞記者が見て、記事にするということは、まったく想定していませんでした。今日、政治の世界でもツイッターが有力な発信源とされていることを考えると、それを軽視したのは、甘すぎました。

この文章を読み、森氏(M氏)が危機感なり、反感を抱いたのは、当然のことだとおもわれます。

ようするに、末木氏は、この文章で、次のようにまとめたわけです。

① 2016年の西村玲さんの死が、自殺だったことは、2019年前回記事参照)、ご両親が遺稿集を出版して、はじめて明らかになった。

② 森氏(M氏)が、それをSNSで「公表」してしまった。

③ それが(Twitter検索を経て)、九州大学放火自死事件から大学院生問題に”チャンス”をみいだそうとする、小宮山氏(K氏)のアンテナに引っかかってしまった。

実際、上掲ブログ(西村玲氏と『西村玲遺稿拾遺』)で、森氏は、西村玲さんの自殺の「原因」について、激しく末木氏と、いかにも学者らしい典拠争いをしています。

そのなかから↓一節引用します。

これ[末木氏のブログ]を読んで私は、よくもここまで荒唐無稽で支離滅裂な文章を公表できるものだと思った。

「短絡的な因果関係のストーリー」を作り上げているのは、末木氏でないのか。

何度どう考えても、末木氏の主張は荒唐無稽で支離滅裂だということにならざるを得ない。

・・・これらの批判に対する末木氏の応答は、bunmaoのブログを見る限り、見当たりません。

(末木氏が)白旗をあげた、ということではないでしょう。

空しいのでやめよう、ということではないでしょうか。

去年(2020年)10月以来、末木氏のブログの更新は、止まっています。

・・・・・・

それでは、今回はここまでです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。m(_ _)m

つづき:呉座 勇一氏について①:Twitter界隈