犯罪者の肖像権

結構ガンガン顔出すじゃないですか・・・
(記事:マッチングサイトで窃盗事件

こんにちは、伊田です。

正確には、被疑者の肖像権ですね。

これ↓に詳しく説明されています(被疑者→被告人→犯罪者)。

参考:逮捕されたらどうなるか?

逮捕されたひとって、余裕でニュースで顔出るじゃないですか。

どういう法的根拠があるんでしょうか?

調べてみました。


・肖像権であってプライバシーの権利ではない


犯罪者(正確には被疑者)が、ニュースで顔をうつされる・・・。

プライバシーの侵害だ!と言いたくなるかもしれませんが、厳密には違います。

プライバシーの権利:私生活が勝手に介入・干渉されたり、個人情報が勝手に利用されない権利

高校の教科書より↑

肖像権:写真、絵画、YouTubeなどで、自分の肖像が勝手に写し取られたり、公表されないことを保障する権利。

法律の用語辞典より↑

ようするに、ニュースで犯罪者(厳密には被疑者)の顔が映し出されるのは、肖像権の侵害になり得ます。


・幸福追求権


肖像権は、人格権の一部で、プライバシーの権利と共に、幸福追求権に基づきます。

幸福追求権(憲法13条後段)

生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

これのみ↑条文アリ。


・公共の福祉に反しないからOK


結局、犯罪者(正確には、被疑者)の顔がニュースに映し出されるのは、公共の福祉のために許されるわけです。

でも、公共の福祉をモチベーションとして、マスコミは、やっているわけではないでしょう。

それを報道すれば視聴者が増え、カネになるからやっているわけです。

そのとき彼らの傘となっているのは、公共の福祉というより、むしろ表現の自由です。

表現の自由(憲法21条①):集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。


・名誉棄損


犯罪者あるいは被疑者の立場にとって、最後の砦となるのは、名誉棄損でしょうね。

民法第723条:他人の名誉を毀損した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害倍書に代えて、又は損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる。

刑法230条①:公然と事実を適示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

ちなみに、法律用語を調べると、名誉毀損は、簡単に↓こう定義されています。

名誉毀損他人に対する社会的評価を低下させる行為。


・まとめ


まとめると・・・

幸福追求権(憲法13条)

① プライバシーの権利

② 人格権・・・肖像権など

このようにして犯罪者あるいは被疑者の肖像権は根拠づけられるのですけれども・・・

幸福追求権条文にある公共の福祉、ならびに表現の自由が、肖像権に優越します。

犯罪者(被疑者)は、名誉毀損を主張することもできるでしょうが・・・

完全に事実、かつそれしか報道されていない(どこどこのそこそこで逮捕があった、というだけで、”アイツは最悪だ”とか記事化されていない)限り、名誉毀損を立証することはできないでしょう。

以上のことから、逮捕者(被疑者)を報道することは、肖像権の侵害にも、名誉毀損にも、ならないわけです。

・・・・・・

それでは、今回はここまでです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。m(_ _)m