その点、日本のFightPassは天国
(アメリカのFightPassはダメ=下記記事参照)
参考:この記事
こんにちは、山田です。
UFCが値上げをしました。
PPV: USD74.99 → USD79.99(日本円で1万円)
日本円で1万円と考えてよいでしょう。
値上げは上位放送(ナンバリング興行)のみであって、中位放送、下位放送のABC系列のインターネットテレビ局ESPNでの値段は変わらないみたいです。
・・・ただ、日本でFightPass(トップ画像)を使ってみている私たちにとってはまったく関係ない話ですけどね。或る意味、日本でのUFC不人気に感謝、といったところでしょうか。
ダナホワイトが決めたというより・・・
いろいろなところで記事化されていますがWrestlingObserverでもよいでしょう↓
これみると↑PPV中継もESPNが仕切っていて、その親会社のディズニーの意向だ、とダナホワイトは説明していますね。
さて、いつも話題になるPPVですが、UFCを脇に置いて、ちょっとその全体的な歴史を振り返ってみましょう。
メイウェザー vs. パッキャオ(2015/5/2)
歴史的に最も売れたPPVは、メイウェザー vs. パッキャオ(2015/5/2)で4,600,000です。
この売上数を BuyRate といいます。
その際、1PPVあたり料金はUSD 89.95でした。
ちなみに会場はMSG(マジソンスクエアガーデン)で16,219人。WWEなどを見ているひとならMMAやボクシングがいかにPPV中心のビジネスかわかりますよね。
メイウェザー vs. マクレガー(2017/8/26)
次に売れたPPVが、メイウェザー vs. マクレガー(2017/8/26)でBuyRate4,300,000でした。
このときのPPV料金はHD画像でUSD99.95, 標準画像でUSD89.95でした。
以上2つのPPVが抜きんでていて次のマクレガー vs. ハビブ(2018/10/16)は、BuyRate2,400,000でした。
PPVバブルは弾けたか?
いずれにせよ、BuyRate400万とか200万というのは天文学的数字だとおもいます。
しかし近年の興行をみてみると、そのような天文学的数字が見られなくなっているのも確かです↓
ぶっちゃけ、個数(BuyRate)売れないなら、客単価を上げるしかない、というただの”数学”で、今回というか、継続的なUFCの料金値上げは単なる生き残り戦略なんじゃないか・・・ともいえます。
アメリカのFightPassはクソ
折につけUFCで下位放送~中位放送~上位放送の区別を本サイトではしてきました。
最上位放送:UFC 266みたいな数字が単純に続く大会
→PPVのみ。毎回70ドル。→今回の値上げ対象:・
中位放送:UFC on ABC や UFC on ESPN
→ABC(アメリカ三大放送局の1つ)のケーブルテレビ系列で放送。・
下位放送:UFC Fight Night(UFC on ESPN+ともいう)
→インターネットテレビのESPN+で放送。
これらは、ABC系列のインターネットテレビ局ESPNに加入していないと見れない中位放送、下位放送、そしてUFCが直接PPV販売する上位放送に分かれます。
アメリカにおいてFightPassは、これら下位~上位放送のいずれもカバーしていません。
この点、年間25,000円も払えば全部見れる日本のFightPassは天国のワケですね↓
PPVバブルは崩壊するのか?
とにかく、今回の値上げでまたしても頭を過(よぎ)るのは、なんでアメリカ人ってスポーツなんかにこんなクソバカ高い金額払うの?ということでしょう。
恐らくスポーツに対するスタンスが根本的に違うとおもいます。大学の部活とか、全然重要度が異なってくるのもビシビシ感じます。
ただPPVバブルは崩壊に近づいているようにみえます。
仮にUFCが崩壊するのだとしたらナンバリング興行(上位放送)のPPV売り上げがふるわなくなるところからでしょう。
そう考えると、第二のマクレガーを製造するのが急務となっているはずです。
ピンブレットの件↓なんかは、こういった角度でみれるでしょう。
参考:パディピンブレット vs. ジャレッドゴードン(2022/12/10 UFC 282)
あるいは、ダナホワイトがダゲスタン系を嫌っている、というのも、こういった事情があるのだとおもいます(強くても見てくれなきゃ意味ない)。
観客動員数と、あくまでTV放送に収入源の軸を置くWWEと・・・
PPV購入に軸を置くUFC・・・
ビジネスモデルのイデオロギー対決として、非常に興味深いです。
・・・・・
それでは、今回はここまでです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。m(_ _)m